9坪ハウス
建築家・増沢洵(ますざわ じゅん)氏が1952年に設計した「9坪ハウス(狭小住宅)」は、
わずか9坪(約30㎡)という限られた敷地に建つ、都市住宅の名作です。
木造2階建てで、
1階は生活空間(リビング・キッチン・水廻り)、
2階は寝室というシンプルな構成。
大きな窓や吹き抜け、可動式の建具を用いて、
狭さを感じさせない開放的な空間を実現しています。
戦後の住宅難の時代に「最小限の住まいで、豊かに暮らす」
という新しい価値観を提示し、
日本の狭小住宅デザインの原点とされる建築です。
私は20年ほど前に、デザイナーの小泉誠さんが手掛けた
「スミレアオイハウス」の書籍で9坪ハウスを知りました。
(Amazonから引用)
当時の私は、3間×3間(5.46m×5.46m)の限られたスペースに、
家族4人がどうやって暮らしているのだろうか?
経験したことのない「9坪の家」に興味を搔き立てられました。
先日、リビングディー設計課のメンバーで、
東京都町田市に建つ、gA HOUSEの岡田さんが手掛けた
『最新の9坪ハウス』を見学することが出来ました。
玄関ドアを開けた瞬間から感じる心地の良い『木の香り』
1階は玄関とLDK、
2階に寝室と水廻りをまとめた9坪ハウス
1階のリビング吹抜け以外(キッチン・ダイニング)は、
手を少し上げると天井に届いてしまうほど高さを抑えていて、
我々と岡田さんの10人が、収納スペースを除いた1階の15帖に集まっていましたが、
全く狭さ、窮屈さを感じさせない豊かな空間でした。
2間の幅で、2階までつらなる大きな窓と外のつながり。
柱と梁でデザインされ、「窓」を感じさせない工夫が施されていました。
(勝手口やその他の窓も、木製格子や障子で隠されていました。)
とっても素敵な空間づくりのポイントは
「木」と「石」と「鉄」のバランスだそうです!
窓からの景色の先に、
「富士山」や「湖」、「大自然の緑」が見えたらどんなに素敵だろうか。
別荘、セカンドハウス、一棟貸しのホテル、ご夫婦ふたりの終の棲家、
お金があったら建ててみたい!!!
20年前に抱いた「9坪ハウス」への想いが満たされた時間♪
とても愉しい一日でした。
デザイン設計室 實石






